清純派アイドルが薬物犯罪に手を染めていたとして世間の耳目を集めた「のりピー劇場」に一応の決着がついた。酒井法子被告(38)に下された判決は懲役1年6か月、執行猶予3年。「軽すぎる」という声もあるが、初犯という点を考慮すれば執行猶予が付くのは相場通りといえる。テレビは競って判決の模様を熱く伝えたが、予想通りの判決に驚きは少なく、ネットでは判決内容よりも似顔絵に注目が集まったりしている。
覚せい剤取締法違反(所持、使用)の罪に問われた酒井被告に対する判決公判は2009年11月9日午前、東京・霞が関の東京地裁で開かれた。開廷直後に村山浩昭裁判官が主文を読み上げてまもなく、一刻も早く知らせようというテレビ局の記者たちがカメラの前で判決内容を興奮気味に伝えた。
「もう少し裁判所に踏み込んだ形の科刑を考えてほしかった」
国会中継のNHKと旅番組のテレビ東京をのぞき、首都圏の民放各局は「判決特番」の様相となり、酒井被告の表情など刻々と変わる法廷の様子をリアルタイムで報道。スタジオではコメンテイターがさまざまな意見を述べた。
酒井被告の社会的影響力の大きさや逃走劇を繰り広げたことを重くみて、厳罰に処すべきという声も世論には存在する。テレビ朝日の情報番組「ワイド!スクランブル」では、大澤孝征弁護士が「従来の相場からすると予想されたこと」としながらも、
「僕としては、もう少し裁判所に踏み込んだ形の科刑を考えてほしかったと思います」
と実刑にすべきだったのではないかという意見を示した。作詞家のなかにし礼さんも
「一般的な方々の量刑と、こうやって名があって社会的影響力のある人が全然区別されないのは不思議なんですけど……」
と腑に落ちない様子だった。
ネットでも、ミニブログサービスの「ツイッター(Twitter)」などに判決に対する感想が書き込まれたが、賛否はさまざまだ。
「執行猶予付きかぁ。ちょっと、甘い気がするな」
「大方の予想通りだけどぬるい判決だなあ」
といった不満を述べるコメントもあったが、
「初犯は執行猶予つくわな」
「まぁ妥当な判決だね」
と冷静に判決を受け止める声も多かった。