記者会見のオープン化に積極的な民主党政権の誕生で、各省庁の記者クラブが対応に追われている。外務省では大臣・副大臣の会見がすべてのメディアに開かれたが、総務省や金融庁、環境省など他の省庁でも開放に向けた動きが始まった。大臣からボールは投げられた。記者クラブはどのようにボールを打ち返すのか。
「記者クラブが応じなければ、もう一度別の会見を開く」
「できるだけ国民・内外各位に開かれた記者会見をしたい」
原口一博総務相は2009年9月29日の記者会見の冒頭でこう述べた。総務省の会見は記者クラブの主催ということになっている。そのことを踏まえて、原口総務相は
「セキュリティーやさまざまな問題を確保したうえで、多くのみなさんに開かれたものにさせていただきたい」
と会見オープン化を記者クラブに打診した。
同様の動きは、金融庁や環境省でもあった。亀井静香郵政・金融担当相はやはり29日の会見で、新聞やテレビの記者たちに対して
「結構、封建的なことをやっているのだね、あなたたちは。もう、全部オープンにいかないとだめだよ」
と発言。もし記者クラブがオープン化に応じないのならば、クラブ以外のジャーナリストのために大臣主催の会見をもう一度開かなければいけなくなってしまう、とまで話した。
小沢鋭仁環境相も同日の会見で次のように述べている。
「私としては、できるかぎり情報は広く国民の皆さんに伝わる方法は考えたいと思っており、特に海外のみなさんたちに日本の情報を広めたいと思っています。我々も縦割り行政を打破してまいりますから、(記者クラブの)みなさんも会社の枠を打破して協力いただけるとありがたいなと、そういうようにお願いを申し上げます」
具体的には、民主党がこれまで実施してきた「オープンな記者会見」ができたら一番望ましいと、記者クラブ側に要望した。