鳩山首相の「故人献金」問題 2か月たっても「説明ナシ」

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   鳩山首相による新政権が発足し、首相官邸で初めての記者会見が開かれた。鳩山首相をめぐっては、自身の資金管理団体の政治資金報告書に、すでに死亡している人から献金が記載されている「故人献金問題」が、まだ「宿題」として残っていたはずだ。ところが、会見では、一番最後に、申し訳程度に質問が出た程度で、鳩山首相も正面からは答えずじまい。多くの疑問が残っているにもかかわらず、新聞各紙でも、大半が小さいスペースでの扱いにとどまっている。

就任会見の最後にようやく「故人献金」問題の質問

   いわゆる「故人献金問題」は、鳩山氏の資金管理団体「友愛政経懇話会」の収支報告書に、すでに死亡している人の名前が多数記載されていたことに端を発する。政治資金規正法では、5万円を超える個人献金者の住所と氏名を記載することを求めているが、5万円以下については記載しなくても良い。この匿名献金が個人献金の6割を占めていたことも、「鳩山一族の資産が紛れ込んでいるのでは」との憶測を呼んでいた。

   問題は09年6月に発覚し、鳩山代表は「虚偽記載は秘書の独断」などと説明、「すでに説明責任は果たされている」との立場を貫いてきた。ところが、まだ解明されていない点も多い。例えば、虚偽記載の動機や経緯については、7月7日の会見で

「(動機については)未だに正確には把握していない。(公設秘書の)体調が思わしくないこともあり、まだ彼に会っていない。推測の域を出ない。(問題とされた5万円以下の献金についての)調査の進捗については、元々非開示なだけに、法的な観点から、調査を依頼している弁護士が判断する。自分は、これ以上申し上げる立場にないし、(結果を公表する)タイミングについては分からない」

と述べたきりだ。

   にもかかわらず、2カ月以上経過した就任会見では、この問題に触れられたのは、最後の1問にとどまった。会見終盤、多くの記者が手を挙げるなか、「これで記者会見を終わります」との声が飛んだ。その声を鳩山首相が「最後にひとりだけ」とさえぎると、朝日新聞の記者が

「『故人献金』問題についてうかがいます。個人献金問題を、鳩山総理は『十分説明責任を果たした』という立場を一貫して取られていますが、臨時国会などで、野党の厳しい追及を受けるのは必至だと思います。個人献金問題を抱えたままでの政権運営への影響についてと、今後、新たに説明するお考えはあるかについてお願いします」

と質問。

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