O157による食中毒が発生した大手ステーキチェーン「ペッパーランチ」の対応を巡り、不信感を訴える声が相次いでいる。休業などの判断が後手後手に回ったためで、社長ブログも炎上した。しかし、同店を展開するペッパーフードサービスでは、「今回は、加工工場の過失割合が高い。客が大幅に減ることはないのでは」としている。
山口県生活衛生課では提供方法に問題があったとの認識
「どうして今回のようなことになったのか」
食中毒が発覚した2009年9月5日、産経新聞の記事によると、ペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長は、記者会見で原因についてこう首をかしげた。
問題の角切りステーキは、岐阜県大垣市にある協同組合の加工工場で密封前に汚染された可能性が強かった。報道陣から対応を疑問視する質問があったとき、「それがうちのもの(が原因)かは確定できない」と反論したのはそのためらしい。
とはいえ、店できちんと火を通していれば、食中毒は発生していなかったのも事実だ。しかし、同社では、汚染されていたとみられる角切りステーキの販売は中止したものの、営業停止を命じられた店以外は休業しないことを明らかにした。
ペッパーランチでは、生のステーキを260度に加熱した鉄皿の上に乗せて客に提供し、客が好みの焼き加減で食べるようになっている。ただ、角切りステーキは、ミンチ肉を固めた成型肉で、雑菌が中に入り込みやすい。このため、厚労省通知で、スーパーなどで販売する際は、中心部まで焼くことを求める表示が義務づけられている。
角切りステーキの提供方法について、ペッパーフードサービスでは、接客時にマニュアルに沿って十分な加熱をお願いしていると説明する。
しかし、食中毒を調査している山口県の生活衛生課では、こうした提供方法に問題があったとの認識だ。
「片面の加熱だけで、もう片面は客任せでは、中心部まで熱が通ったか確認できません。口頭で説明しても、人によって捉え方が違いますし、子どもなら十分伝わらない可能性があります。この場合、店側が担保すべきです」
同課では、同社に対して、提供方法の改善を求めているという。