iPodがウォークマンに抜かれた。調査会社BCNによると、約4年8カ月にわたって携帯オーディオプレーヤーのトップシェアを維持してきたアップルが、2009年8月最終週のランキングでソニーに首位の座を明け渡した。しかし、その差はわずか。携帯オーディオプレーヤーの2強によるつばぜり合いはしばらく続きそうだ。
「割安感」でシェアを伸ばしたソニー
2009年1月~8月の携帯オーディオ主要2社の販売台数シェア推移(データ提供:BCNランキング)
BCNは9月2日、携帯オーディオプレーヤーの販売台数週次シェアを発表した。それによると、8月最終週(8月24日~30日)は、ウォークマンを販売するソニーが43.0%で1位だったのに対し、iPodで対抗するアップルは42.1%の2位にとどまった。アップルが首位から落ちるのは2005年1月第2週以来で、実に4年8カ月ぶりの王座陥落だった。
アップルは初代iPod nanoを発売した直後の05年11月に6割弱のシェアを獲得して、日本の携帯オーディプレーヤー市場を席巻。一方、ソニーはわずか1割弱で明暗が分かれていた。しかし、ソニーは機種のバリエーションを増やすなどしてシェアを回復していき、09年1月第1週には33.3%まで戻した。その後も着実にシェアを伸ばし、ついにアップルを逆転した。
「平均単価は、アップルが約1万8000円なのに対して、ソニーは1万3000円を切っています。価格面の安さも、ソニーがシェアを拡大している一因でしょう」
とBCNのアナリスト・森英二さんは分析している。さらに、音楽も聴けるiPhoneの普及で、従来iPodを購入していた層がiPhoneに流れている影響もあるという。そのため、iPodの実売台数が右肩下がりで落ちていっているのが実情だ。