「金がねえで結婚はしねえ方がええんで」。麻生首相が学生のイベントでこう話したことの真意を巡って、ネット上で議論が続いている。発言全体を聞くと、金がない人の結婚を否定しているのではなく、金がある程度稼げるようになってからの方がいいと言っているようだ。これで大げさに騒ぎたてるほどの失言なのか。
「金ないのに結婚するな」などと報じられる
ニュースサイト掲載のイベント動画
麻生太郎首相の「失言」が報じられるたびに、ネット上では、マスコミの歪曲報道ではないかとの疑問がくすぶっている。それだけマスコミ不信が広がっているわけだ。
今回の発言については、「金ないのに結婚するな」などと一部で報じられた。これに対し、ネット上に載った「イベント参加者」のコメントやイベント当日の動画から、報道への異論が相次いでいる。
麻生首相が話したのは、日大法学部の学生らが東京・台東区民会館で2009年8月23日夜に開いた「ちょっと聞いていい会」。そこで、立教大学の学生からこう質問された。
「結婚するのにまずお金が必要で、若者にその結婚するだけのお金がないから結婚が進まないで、その結果少子化が進むと思うんですが?」
これに対し、麻生首相は、前出の「金がねえで」発言をしたうえで、こう述べたのだ。
「ある程度生活をしていく、いけるというものがないと、やっぱり自信がない」
「稼ぎが全然なくて、尊敬の対象になるかというと、よほど何かないとなかなか難しいんじゃないかという感じがするんで。稼げるようになったうえで結婚した方がいい」
つまり、金がない人の結婚を否定しているのではなく、それは金がある程度稼げるようになってからの方がいいと言っているわけだ。そして、「(金が)ないからしないってもんでもない。こらあ、人それぞれだと思うから」と述べ、金がない人が結婚するのもその人の自由だとしている。