月刊「文藝春秋」が、鳩山家の資金問題をテーマにする特集を組むことが分かった。民主党の鳩山由紀夫代表の個人献金問題や、鳩山家と縁戚のブリヂストン創業家である石橋家との関係に迫る内容になるとみられ、「政治とカネ」をめぐり新たな展開がありそうだ。
政権交代が迫るとされるなか、鳩山家についての特集を組む媒体が相次いでいる。中でも精力的なのが文藝春秋社の雑誌で、「文藝春秋」2009年8月号で鳩山邦夫氏の長文インタビューが掲載されているほか、ノンフィクション作家の佐野眞一氏が「鳩山家四代 エリート血族の昭和史」と題して、「音羽御殿」をめぐる人間ドラマを描いている。
さらに、「週刊文春」09年8月13日/20日号で、鳩山家の金脈について特集。
そんな中、8月10日発売の「文藝春秋」9月号で、さらに鳩山家の金脈問題について追及する記事が掲載されることが明らかになった。8月号に続いて前出の佐野氏が20ページ程度執筆しているという。
自民党にとっては「追い風」?
兄弟の母・安子さんは、ブリヂストンを創業した石橋正二郎氏の娘にあたり、現在でも同社株約700万株を保有しているとされている。また、鳩山兄弟も石橋正二郎氏からの生前贈与で大量のブリヂストン株を保有している。株安が進んでいた08年1月には、邦夫氏は「30~40億円損した」と、評価損の額を明らかにしている。さらに、邦夫氏は「兄も40億損している。『兄弟同時損害』」とも述べ、これに対して由起夫氏は「余計なことを言う人だ」と不快感を示したという経緯もある。
今回掲載される記事では、石橋家と鳩山兄弟の資産面でのつながりや、由起夫氏の不透明な個人献金と、親族を巡るカネの流れについて追ったものになる模様だ。
由起夫氏の献金問題に追及を続けている自民党にとっては「追い風」になる可能性が高い記事と言えるが、自民党はすでにこの情報を入手した様子で、「選対関係の幹部は大喜びしている」という話もある。