吉本興業非上場化を検討 民放巻き込みは無理

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   お笑いの吉本興業(本社・大阪市)が、株式の非上場化に向け、民放などを巻き込んだ株式公開買い付け(TOB)を検討していることがわかった。非上場を狙う背景には、吉本興業と創業家との「お家騒動」があるとみられる。株主総会でのゴタゴタや経営の混乱を回避するには、大株主の創業家と縁を切り、株式を非公開とするのが得策と判断したようだ。しかし、在京、在阪の民放各局とも吉本興業に投資するだけの資金的な余力がないため、今回のTOB構想が実現する見通しは立っていない。

怪文書が飛び交うなど、社内のゴタゴタ続く

   吉本興業は東証1部、大証1部に上場するれっきとした株式会社だ。1980年代後半から大阪を拠点に東京、札幌、福岡などにも進出し、事業の拡大とともに2007年10月、持ち株会社に移行した。有価証券報告書によると、筆頭株主は創業家である吉本、林両家が経営する「大成土地株式会社」で、その保有比率は9.43%(09年3月末現在)。以下、金融機関2社が続き、吉本興業自身も自社株を3.90%保有する第4位の株主になっている。発行済み株式をTOBで全株買い取るとすれば、400億~500億円が必要となる。

   吉本興業は創業家との内紛が週刊誌に取り上げられ、漫才師の中田カウスさんと暴力団との交遊や吉本興業の元幹部による不正経理問題などがスキャンダルとなっていた。最近では中田カウスさんが暴漢に襲われた事件をめぐり、怪文書が飛び交うなど、社内のゴタゴタが耳目を集め、株価も低迷していた。吉本興業としては株価を気にせず、株主総会で長時間の質問が相次ぐなどの混乱を避けるためには、株価が低迷する今がTOBのチャンスと考えたようだ。

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