支持率の急落で、2009年7月の都議選に負けた場合、麻生首相の進退問題になる可能性が強まってきた。自民党幹部も、マスコミ取材にはっきりと認めたのだ。とすると、総選挙前に、またまた首のすげ替え劇が繰り返されるのか。
「首相は覚悟を決めているだろう」
近づく総選挙について、自民党の古賀誠選対委員長は、2009年7月12日投開票の都議選とのダブル選挙を麻生太郎首相に進言した。その時の様子について、記者団から、「笑顔で聞いていたそうだが」と聞かれた麻生首相。選挙時期への明言を避け、こう場を取り繕った。
「うん、今みたいな笑顔」
しかし、指差した顔は、心なしか、引きつっているようにも見えた。
それもそのはず、麻生首相にとっては、進むも地獄、待つも地獄、の心境のはずだからだ。
鳩山総務相の更迭劇は、支持率低下という形でまったくの裏目に。千葉市長選など軒並み地方選でも負けており、今解散すれば、「自殺行為」との声も強い。麻生首相とすれば、もう少し支持率回復を待ちたいところだろう。
とはいえ、都議選後にすれば、やはり地獄を見るかもしれない。惨敗すれば、進退問題に発展する可能性が強いからだ。実際、自民党幹部が6月16日、マスコミ取材に、「首相は覚悟を決めているだろう」とその認識を示した。古賀選対委員長の進言は、その前に先手をと考えたものらしい。
テレビのワイドショーでも6月17日、このことが話題に。テレビ朝日系のスーパーモーニングでは、コメンテーターの三反園訓さんが、古賀進言の方向なら、都議選前の7月2日に解散、8月2日投開票と予想した。しかし、都議選後なら、麻生降ろしのシナリオから、負ければ電撃辞任すると読んだ。そして、その場合の総裁候補は、石原伸晃幹事長代理か、舛添要一厚労相のどちらかだと指摘。舛添氏については、「メチャメチャやる気あるようですよ、周辺によるとね」。