セブン銀行が取り組んでいる振り込め詐欺対策の効果が上がっている。2008年7月に導入した「口座モニタリングシステム」が順調に稼働しており、導入前と比べて約1割減った。08年12月にはゼロ件だった。
振り込め詐欺に悪用される銀行口座は警察から連絡があってから凍結されるのが一般的で、多くの場合被害を未然に防ぐことがむずかしい。セブン銀行のシステムは、被害にあった口座などを分析することで悪用される口座のパターンを割り出し、金融犯罪対策室の約10人が口座を監視する。
資金が振り込まれた直後に、不審と思われた口座の振込先銀行に連絡して、振り込んだ人に再度確認してもらう。間違いが確認できるまで振り込みを実行しない。
セブン銀行は「最近は口座を売買するケースもあり、口座名義人と実際の利用者が異なる場合などがある。犯人が買った銀行口座から現金を引き出せないように、キャッシュカードを止めることも考えている」と、さらに取り組みを強化する。
金融庁によると、振り込め詐欺を含む預金口座の不正利用について顧客から寄せられた情報は2003年9月から09年3月末までの累計で、2万2672件。このうち、ネット銀行(ゆうちょ銀行を含む)などは3388件だった。