結婚しない息子、娘に代わって、親が結婚のための活動(婚活)をする「代理婚活」が全国に広がっている。子供の結婚を見届けるまでは、「死んでも死にきれない」と必死なのだ。70歳の高齢の親も多いのに、遠方からはるばるお見合いパーティに参加し、我が子の婚活に励んでいる。
「一人で死んで行く息子を想像すると、居ても立っても居られません」
「私達夫婦も老い先が短くなって来て居ります。気懸かりなのは長男が、生涯独身を続けるのか? 私達がなくなって、一人で死んで行く息子を想像すると、居ても立っても居られません」
ネット上の悩み相談に2008年8月22日に書き込まれた内容だ。有名大の大学院を出て、上場企業に勤めている35歳の息子が結婚する気配がないと心配している。
09年4月7日付け新潟日報「親のやきもき『孫の顔を』と積極的 県外に代理見合いも参加」と題する記事の中では、同居している35歳の長女が結婚せず、
「出産年齢を考えると、そろそろタイムリミット」
と焦る母親のコメントが紹介されている。
こうした「親心」をくみ取る形で、5年前から親同士の代理見合いをセッティングしている「あなたのマリッジ オフィス・ナカノ」(福岡市)の中野正彦代表は、
「福岡を出て、東京や大阪などに就職したものの縁がない、と親御さんからの相談が舞い込むようになったのが始まりです。親は心配でたまらないんですよ」
という。
福岡、北九州、久留米、佐賀で36回の代理見合いを実施。09年4月12日に福岡市で行うと、20組が参加した。多い時には参加者は40組にのぼる。