長谷川洋三の産業ウォッチ
ゴーン最新語録:日産の今後は経済の先行き次第

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「誰しも危機から脱出するのに必死だ。すべてはそれにつきる」

   フランスの大手自動車ルノー社長で日産自動車のCEO(最高経営責任者)も兼ねるカルロス・ゴーン氏は2009年4月21日、在日フランス大使館で米クライスラーとイタリアのフィアットの提携の展望について尋ねた私にこう答えた。日本で永年活躍したフランスのファッション評論家フランソワーズ・モレシャン氏がフランス国家功労賞コマンドールを受賞した祝賀会に出席した折、「本日は私が主役ではない」と断りつつも、クライスラーと日産がOEM提携していることを踏まえ、コメントした。

   米政府から緊急支援を受けているクライスラーは、さらなる支援を受けるには、4月30日までに大幅な人件費の削減や債務の圧縮するのが条件。フィアットも米政府の支援がクライスラー提携の条件としているだけに、クライスラーが全米自動車労働組合(UAW)と人件費の引き下げや退職者向け医療基金への支出削減で折り合いがつくかが焦点となっている。UAWは26日、クライスラーとこれらについて合意したと発表、クライスラーはフィアットとの提携が実現する可能性がでてきたが、日産も赤字経営を余儀なくされる苦しい時だけに、対岸の火とだけは見ていられない心境だ。ゴ-ン神話にもかげりがでたと言われているが、日産の今後については「経済しだい」と厳しい見方。フィアットを中心に自動車再編成の動きが加速しそうな雰囲気だが、ゴーン氏、ここは「忍耐」の時のようだ。

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