スーパーは特色あれば生き残る 中堅「マルエツ」「ライフ」が絶好調

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   長引く不況で消費者の生活防衛意識が高まるなか、大手スーパーマーケットが苦戦を強いられている。イオンは2期連続の減益、セブン&アイ・ホールディングスはスーパー部門が減益。一方、中堅のマルエツとライフコーポレーションは最高益を記録した。その秘けつは何なのか。

「安いから売れて、いつ行っても新鮮なものを扱っている」

   大手スーパーマーケットの2009年2月期連結決算が出そろい、軒並み減益となる一方、中堅スーパーの中には元気がいいところがある。

   全国243店舗展開するマルエツは、2期連続で営業最高益を更新した。大手が苦戦しているのを尻目に、好調な理由は何なのか。

   マルエツをよく利用しているという都内在住の50歳代主婦は、魅力をこう語る。

「生鮮食品がとにかく安い。安いから売れて、いつ行っても新鮮なものを扱っています。ある大手スーパーは安売りの日とそうでない日の価格差が大きく、安売りの日以外は利用しません。同じように考えるお客が多いようで、商品の回転が悪くなって、鮮度も落ちる気がします」

   1匹単位で売っている魚も豊富だ。また、魚をおろすサービスも1匹からしてくれる。高齢者が多い地域なので評判がいいという。

   広報担当者によると、生鮮食品は鮮度の良い地場商品を多く扱っているほか、栽培方法と産地にこだわった有機栽培野菜の品揃えも強化している。また、これまで週2回行っていたセールに加えて、生鮮食品を中心に旬の食材を安くする「ダイナマイト市」を毎週木曜日に設定し、08年末から実施している。

   自社で経営する料理教室が、店内の調理実演コーナーや配布するレシピ作りに協力するという試みも好評だ。

   大手スーパーにはないオリジナル性を出したおかげで、既存店売上高は前年同期比2.3%増、客数は同比1.9%増、客単価は同比0.4%増となった。

「お客さまは食品に安さを第1に求めますが、接客、店がきれい、買った後の満足感といったサービス面も重視されます。また、高齢化への取り組みも進めています。高齢の方や身体の不自由な方への接客を専門とする『サービス介助士』の資格を持つ従業員は240人いますが、今後は全店の店長と管理職に資格を取らせる予定です」(広報担当者)

   マルエツの09年2月期(08年3月1日~09年2月28日)の連結業績は営業収入(売上高に家賃収入などを加えた)が前期比2.0%増の3423億3700万円、営業利益は同比9.7%増の83億400万円、経常利益は同13.2%増の78億4700万円、当期純利益は同31.7%増の62億300万円だった。

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