小学4年でも3回に1回は成人 タバコ「顔認証」の落とし穴

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   タスポはカードなのが面倒、顔認証なら手ぶらで買える。そんなアイデアで広まってきたタバコの「顔認証方式」自販機。が、その性格上、未成年を排除しようとすると、買えない成年が増えるジレンマもある。タバコ自販機が便利になるには、もう少し時間がかかりそうなのだ。

最新のソフトでなかったと説明

「顔認証方式」自販機のサイト
「顔認証方式」自販機のサイト

   顔のしわや骨格などから成人を識別できる「顔認証方式」タバコ自販機。が、なんと小学4年生の男児(10)が、この自販機で成人と識別され、タバコを買っていたことが2009年4月17日、京都府警の調べで分かった。

「今回タバコを買った男の子は、特に老け顔であったわけではありません。機械で年齢を識別するのは難しいのかもしれませんが、こういうことがあっては、警察としては困りますね」

   府警幹部は、こう漏らす。この男児に協力してもらって、本当に買えるのか実験したところ、3回に1回は成人と識別された。実験は、自転車のフレームに乗り、高い位置にあるカメラに顔を近づけてもらって行った。府警によると、小学生では初めてだが、中学生では5件こうしたケースがあったという。

   この顔認証方式を開発したのは、自販機メーカーのフジタカ(京都府)。当初は、成人識別率が9割ほどだったが、しかめっ面など未成年を成人と誤解させる行為の防止など3つの条件がクリアされたとして、財務省から2008年7月4日に認定されている。

   しかし、男児のケースでは、成人と誤解させる行為をしなくても、そう識別されてしまった。これについて、フジタカの広報担当者は、男児がタバコを買った自販機は、最新のソフトでなかったと説明する。

   この顔認証自販機では、認定後も、未成年がしかめっ面や大人の顔写真でも買えたとの指摘が相次ぎ、財務省が改善を指導。そして、同社では順次、最新のソフトに更新しており、男児が買ったのは更新前の自販機というわけだ。

   フジタカでは、この自販機を4月11日に更新したとしている。全国で同社の顔認証方式が5200台あり、うち1250台で更新作業が終わったという。

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