物理化学に「萌え本」登場 苦手な人にもわかりやすい

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   アニメやゲームにみられる美少女キャラクター、いわゆる「萌え」キャラ。最近では物理や化学の書籍にもそうしたイラストが描かれ、売れ行きも好調という。親しみやすいイラストで、わかりやすさを狙ったもので、若い世代の理系離れにも一役買いそう?

「水素」は妖精、「フッ素」は勝ち気そうな女の子

「量子論」を解説した漫画「『ねこ耳少女の』量子論~萌える最新物理学~」
「量子論」を解説した漫画「『ねこ耳少女の』量子論~萌える最新物理学~」

   PHP研究所が2008年11月に発売した「元素周期 萌えて覚える化学の基本」。118ある元素を解説した本だ。A5判見開き1ページで、1つの元素を解説する。左のページには、擬人化した元素のイラストを配置した。

   そのイラストは、ゲームのキャラクターを思わせる女の子の「萌えキャラ」だ。たとえば、原子番号1番「水素」は妖精をイメージした。また、「フッ素」のキャラは勝ち気そうな顔立ちの女の子がフライパンを手にしているし、「マグネシウム」のキャラはクールにライフルをたずさえている。いずれにしろ、従来の参考書のイメージとは全く違う、ユニークなものだ。

   そして、右ページには「元素」に関するデータを掲載しており、発見年や発見者の情報などを並べた。元素のイメージを大まかにつかむには、便利そうな1冊だ。発売以来、4万部を売り上げた。コミック出版部の編集担当者・伊丹祐喜さんによると、購入者は男女比で6:4。最近では中高生やその両親が購入し、大学の購買でも平積みされるなど売れ行きは好調だという。

「元素記号を関連づけ、印象づけで覚えるには便利な本だと思います。学習を始めるには、楽しんで入ることが大事。一度イメージをつかんでから難しい本に入ると、理解度も増すのではないでしょうか。また、若い人の理系離れも言われていますから、勉強のきっかけになれば嬉しいと思います」

   なお、同書を監修した満田深雪先生は、自身が受け持つ高校の授業などで利用したいと意気込んでいるそうだ。今後、同書が広く副教材になる可能性もありそうだ。

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