家庭用ゲーム機「Wii」用の新作ソフトを「作らなすぎる」と任天堂が最近ネットで非難を浴びている。2008年10月から半年間で8本のソフトを新発売したが、うち6本は前ゲーム機「ニンテンドーゲームキューブ」用ソフトの移植。期待していた大作ソフトもなく、古くからの任天堂ファンは「納得がいかない」というのだ。任天堂はなぜ「Wii」の新作を出さなくなったのだろうか。
「コアユーザーが任天堂離れ」と警鐘
「任天堂のWiiへのソフト供給に対する不満」というタイトルのブログを書いたのは、kentworldさんという男性。アクセスが殺到し、2009年3月11日の「アメブロランキング」のジャンルランキング(漫画・アニメ・ゲーム)で7位になった。それほど新作の少なさが注目されているのだ。
ブログには、
「今までの任天堂だったら年末には何かガッツリ遊べるゲームを自社で出していただけに、どうしてもこのラインナップには納得がいきません」
と書かれている。08年10月から発売したソフトのうち、新作と呼べるのは2作にすぎず、他は過去に出したゲームの移植。「何でここまで手を抜いているの?」と疑問を呈し、このままではコアユーザーが任天堂離れを起こしかねない、と警鐘を鳴らしている。
「Wii」は現在、国内で累計750万台以上普及。ライバルの「PS3」(プレイステーションスリー)を3倍近く上回り、新型ゲーム機として圧倒的なシェアだ。ソフトメーカーとしても世界トップで、「スーパーマリオ」「ドンキーコング」「ゼルダ」などの大ヒットシリーズを持っている。かつて山内溥元社長が他のゲームソフトメーカーに対し、任天堂ゲーム機のソフトを作りたかったら、勝手につくればいい、とし、
「うちは、うちで作るソフトだけでやっていけるから」
と話したのは有名だ。それだけ任天堂のソフトはクオリティーが高く、面白いものが多いということなのだろう。ファンはいつも新作ソフトを心待ちにしていた。
今回のブログには166のコメントが寄せられていて、
「携帯ゲーム機メインで遊んでいるのでWiiのラインナップは気にしてなかったですが、この記事を読みまして『確かに!』と思いました」
「もう少しテンポ良く出してもらわないと 他ハードに客を取られてしまうと思います」
など、ブログの見方に賛同する意見が多い。中には携帯用ゲーム機「DS」の方が好調のため、そちらに力を注いでいる結果なのでは、と考えている人もいる。