昔は公立の小中学校の教室に冷房がついていないのが当たり前だったが、最近はそうでないらしい。京都府八幡市は市内すべての中学校の教室に冷房を設置する、と2009年2月19日に発表した。文部科学省によると、全国の公立のうち小学校9.8%、中学校11%が教室に冷房をつけている。冷房をつけた学校では授業を集中して受けるようになった、という声が上がっているようだ。
環境教育の補助金2125万円は返還
京都府八幡市は市内すべての中学4校の普通教室に2009年4月以降、冷房を設置すると2月19日に発表した。そのうちの1校である市立男山第二中学校は、環境省が指定する「学校エコ改修と環境教育事業」のモデル校に07年から選ばれている。子供たちへの環境教育を行うモデル校は全国で18校ある。
07年の全国学力テストで市内の中学3年生が国語、数学とも全国平均を下回ったことから、市は生徒が授業に集中できるようにと、設置を決めたという。一方、二酸化炭素を排出する冷房を設置することはモデル校にふさわしくないとして、同省から支給された補助金2125万円は返還する考えだ。明田功市長は「温暖化防止から逃げたと言われてもいい。生徒には涼しい教室で、一生懸命勉強させたい」と話した、という。
八幡市教育委員会教育部は、J-CASTニュースの取材に対し、
「市議会で決まった方針で、2月19日に記者発表しました。理由とされている学力低下については、発表したことではありません」
と回答。
市立男山第二中学校の教頭は、「市の決断です」との回答にとどめた。
環境省はモデル校の期間を3年に設定している。全国を代表するモデル校が途中で止めることについて、総合環境課の担当者は、
「正式に八幡市から届け出は来ていませんが、市の決断なので、コメントすることはありません。途中で止める学校が他にも出ることへの懸念もありますが、今のところ、そのような話は来ていません」
としている。