LDH(旧ライブドア)に対し、フジ・メディア・ホールディングス(旧フジテレビジョン) が約345億円の損害賠償を求めた訴訟は2009年1月22日、LDHがフジ側に約310億円を支払うことで和解が成立した。LDHは他にも400億円以上の損害賠償請求訴訟を起こされているが、なんと、同社のキャッシュフロー(現金及び現金同等物)は1500億円もあり、仮に請求額全てを支払うことになっても「経営は盤石」なのだという。
700億円以上の賠償でも「まだ余裕があります」
LDHとフジの訴訟はニッポン放送株争奪戦後の05年5月、フジがライブドアの保有するニッポン放送株を全株買い取り、ライブドアの第三者割当増資に応じて約1億3千万株を約4百40億円で引き受けた。しかし、ライブドアは堀江貴文元社長らの証券取引法違反容疑が明るみに出て株価が急落。フジは06年3月に同株を95億円で売却したが、ライブドアから示された有価証券届出書などに虚偽の内容が含まれていたとして、売却損にあたる345億円の賠償を求め提訴していた。
LDHは和解金額の310億円を堀江元社長など7人の旧経営陣に賠償請求するが、とりあえず09年2月10日にフジに支払う。また、LDHはこの他にも400億円以上の損害賠償請求訴訟を抱えている。和解や敗訴した場合には、これも旧経営陣に請求する考えだ。
「旧経営陣から賠償金を受け取るのはまだ先の事になるだろう」
とLDH広報は話す。仮に旧経営陣に支払い能力が全くなく、総額700億円以上の賠償金を全て同社が負担しなければならなくなった場合、経営は大丈夫なのか。
「全額負担したとしてもまだ余裕があり、経営は盤石です。キャッシュフロー(現金及び現金同等物)は現在1500億円あります」
とLDH広報はJ-CASTニュースに打ち明ける。
実は、堀江元社長逮捕の後に社長に就任した平松庚三元社長は、06年9月にJ-CASTニュースが行ったインタビューで、ライブドアは無借金経営で、キャッシュフローは670-680億円あるとし、
「経営に一番大切な、カネと人というリソースはある。その意味でラッキーでした」
と答えている。それが現在は倍以上の1500億円になっている。これは同社が事件以降に資産整理を進めて、会計ソフト会社・弥生や、DVDレンタルサービス会社・ぽすれんなどの子会社を売却。そうした売却益などが積み上がった結果なのだという。