テレビドラマ「14才の母」主演などで知られる志田未来さん(15)の「わがまま発言」が話題になっている。グラタンやパフェも食べられず、爪も自分で切ったことがないというのだ。テレビ番組では、食わず嫌いなどの克服に努めていたが、この世代は、こんなタイプが増えているのだろうか。
自分で爪を切ったことがない
「これは初めてですよ。グルメ番組ですよ」
女優の志田未来さんが出演した2009年1月9日深夜放送のフジテレビ系番組「VVV6」。その中で、共演者の一人がこう驚嘆したほど志田さんの偏食は激しかった。
ラーメン店では、志田さんが小皿にチャーシューやきくらげ、メンマを移し始めた。スタジオの食堂でしかラーメンを食べたことがないといい、「食べられないんですよ」と明かした。さらに、2軒目で、「白い長いネギはダメなんですよ」、3軒目でも、「ちょっとアサリ、ダメですね。貝全般ダメです」と目を丸くした。
番組で志田さんにアンケートしたところ、スタッフが驚く結果が判明した。料理15品目のうち、天丼、お好み焼き、グラタン、焼肉、しゃぶしゃぶ、コロッケ、パフェと7品目が食べられないというのだ。その理由として、「グラタンは牛乳が嫌い」「コロッケは揚げものが苦手」などと回答している。
また、在籍している中学校の給食については、「残しますね。全然みんな残しています」と話していた。
志田さんは、主演映画のPRも兼ねているのか、1月に入ってテレビに立て続けに出演。フジテレビ系「ごきげんよう」にもゲストとして招かれ、そこでも、仰天発言を連発している。12日の放送では、自分で爪を切ったことがなく、親に切ってもらったり、ヤスリで削ったりしていることを披露。さらに、13日には、家族と水族館に行ったときに機嫌が悪くなって、ほとんど見ていなかったことも明かしていた。
「最近の若者の代表って感じ」との声も
ネット上では、こうした志田未来さんの「わがまま発言」が論議になっている。
Q&Aサイト「ヤフー知恵袋」では、番組での発言にいくつも質問が。偏食ぶりについては、「すごい若手の女優だと思ってみてたのにガッカリ」「どういう家庭の子なわけ???と思いました」などと疑問の声が相次いだ。一方で、「いいんじゃないですか?最近の若者の代表って感じ」「子供の私からしたら残すことは『普通』です」などと理解を示す声も出ている。
和歌山信愛女子短大の藤沢祥子准教授(小児栄養学)は、この世代の偏食についてこう話す。
「今の子はほとんどとまでは言えませんが、確かに、偏食は多いです。家庭での食事がワンパターンになっていることに原因があります。小さいときからわがままにさせていれば、そのままになってしまいます。給食では逆に、子どもたちから『いろんなもの食べさせてくれるからいい』と声が出てくるほどです。給食を残すのは、中学生になったら、先生が強制しないからでは」
志田さんについては、藤沢准教授は「それを売りにしているのかもしれない」としながらも、「周囲がそれを許してきた環境があるのでは」と指摘する。
「食べ物には精神を安定させる栄養素が含まれており、それが欠乏するとイライラしたりします」
ちなみに、志田さんも食事を楽しみたくないわけではないらしい。グルメ番組の中では、メンマやチャーシュー、アサリを食べることに挑戦して成功。「想像していたのと違いました。おいしいですね」との感想を連発しており、どうやら食わず嫌いだったようだ。