不祥事嗅ぎ出して口止め料要求 中国で記者への不信感高まる

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   中国の新年である「春節」の前に、「火の用心、盗み用心、記者用心」(防火、防盗、防記者)という言い方が囃されている。郵便為替、銀行振り込みがまだ発達していない中国では、農民工は年末になると、一年汗をたらして稼いだ金を、現金の形で故郷に持っていき、このときは盗難も多発する。しかし、中国では火事や盗難以上に記者への「用心」が必要とされる。企業の不祥事を嗅ぎ出して口止め料を要求するといった「汚れた」記者が少なくないからだ。

23社の記者が「取材」にやってきたが…

   中国の新聞の信頼性を徹底的に損なったのは、2008年に山西省で発生した「口止め料」受け取り事件であった。

   08年9月20日に山西省霍宝干炭鉱で事故が起こり、労働者一人が死亡した。死亡事件が発生すると、採掘の停止、炭鉱経営者の責任追及が確実に行われるため、事件の隠蔽に炭鉱側は動いた。

   しかし、死亡事件は漏れた。24日、25日に前後して23社の新聞社、テレビ局、インターネット関連企業の記者が「取材」に来た。これに対し、炭鉱側は、新聞購読料、広告費、安全教育関連のCDの購入などの名目でメディアに12万5700元(日本円で164万円)の現金をくばった。

   取材者の中には、いつもインターネットに書き込みをしている二人の若者がいた。ペンネームは「天馬行空」と「直播山西」。記者たちが列を作って炭鉱の事務所に入り、それぞれ現金をもらい、持ち出した様子、乗っている車のナンバーなどもひそかに写真に収めた。さらに記者たちが現金受け取りを署名したノートの写真も取った。

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