2009年、まもなくオバマ米大統領が誕生する。打ち出す政策が、世界景気がよりマイナスに向かうか、上昇の兆しがみえてくるか、を「大きく左右する」(外資系証券のアナリスト)という。シンクタンクが予測する2009年の株価と為替相場をみてみる。
日本総研の09年末予想は「6500~7500円」
2008年秋以降、株価は大暴落、シンクタンクの予測も大きく狂った。そのせいもあって、J-CASTニュースは複数のシンクタンクに2009年の株価予測を聞いたが、「予測がつかない」という回答は少なくなかった。富士通総研は株価・為替の予測値を「公表していない」とのことだった。野村証券金融経済研究所や三菱UFJリサーチ&コンサルティングなどでは、投資家セミナーなどで明らかにすることがあるが、一般には公表を控えているという。
08年は過去最大の42.12%の下落率を記録。エコノミストも、かなり頭を痛めているようだ。
そうした中で、日本総合研究所の09年末の予想株価は「6500~7500円」と、08年の大納会のとき(日経平均株価8859円56銭)よりも、さらに下落するとみている。「金融・経済の安定化のカギを握る米国の住宅市場の調整が終わるのは、早くとも2010年後半までかかるとみられ、09年の株式市場は内外ともに調整過程にある」と説明。年初はオバマ新大統領が打ち出す政策への期待から「株価上昇」もあるが、年後半は調整過程から嫌気される展開になると読む。
みずほ総合研究所が08年12月11日に公表した「2008~09年度日本経済見通し」によると、09年度下期の日経平均株価は9100円だった。08年は「年後半には米景気も徐々に持ち直す」とみて予測をはずしたが、09年は「1万円台」の回復はむずかしいとみている。
第一生命経済研究所の2009年末の株価予測は「9500円程度」で、08年末よりはやや上向くとみている。ただ、その前提条件として「米政府がオバマ政権発足後3か月以内に、簿価の9割以上の価格で政府による不良債権の買い取りが決まること」という。
春ごろまでは一たん9000円近くまで持ち直すが、円高の進展で企業業績が悪化して秋にかけて低迷。しかし、「米国景気が10月ごろに底入れから回復に向かうので、年末にかけては上昇基調を強める」とのシナリオを描く。
大発会の2009年1月5日の日経平均株価は、前日比(12月30日)183円56銭高の9043円12銭。5日続伸で、2か月ぶりに9000円台に回復した。