イラクを電撃訪問した米ブッシュ大統領が、記者会見の場でイラク人記者から罵声とともに靴を投げつけられるという災難に見舞われた。この余波は大きく、イラクでは記者を「英雄」だと称えた上で早期釈放を求める運動が広がりを見せた。一方、今回の事件をモチーフにしたゲームも複数登場、人気を集めているようなのだ。
記者席から飛んでくる靴を銃で打ち落とす
事件をモチーフにしたゲームが注目を集めている
任期切れを間近に控えたブッシュ大統領は2008年12月14日、イラクの首都バグダッドを電撃訪問し、イラクのマリキ首相と米軍の地位協定に調印。同協定では、2011年まで米軍をイラクに駐留させることなどが盛り込まれた。マリキ首相との共同会見で、事件は起きた。記者席に座っていたイラク人の男が突然立ち上がり、アラビア語で「これが別れのキスだ。犬野郎」などと叫びながら、自分の靴を左右とも大統領に投げつけた。大統領は靴を素早くよけ、「事実を申し上げれば、あの靴は10号サイズ(28センチ)だった」などとジョークを飛ばした。
大統領の身のこなしの軽さにネットユーザーが刺激されたのか、この「靴投げ事件」をモチーフにしたゲームが相次いで登場しているのだ。急速に知名度が上がっているのが、英国発の「Bush's Boot Camp」と呼ばれるゲームだ。このゲームは、フラッシュと呼ばれるソフトウェアで作られており、PCのブラウザ上で簡単に動かすことができる。
ゲームは、「自らがブッシュ大統領のSPになって、記者席から飛んでくる靴を銃で打ち落とす」というもの。打ち落とし損なった靴はブッシュ大統領に命中し、ブッシュ大統領の「体力メーター」が減少、メーターがゼロになるとゲームオーバーになるという仕組みだ。発砲すると、大統領の声で「It'll take time to restore chaos」(混乱を立て直すには時間がかかる)という皮肉ともとれる効果音が入るほか、何発か発砲すると「弾切れ」になり、スペースキーを押して弾を入れ替える必要があるなど、なかなか細かいつくりになっている。