中日新聞の「死体水」報道見送り 総局長が異例の「自己批判」

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   中日新聞が、お客に配慮するという理由から三重県内の「死体水」問題の報道を一時見送っていたことが分かった。地元総局長がコラムで明かし、J-CASTニュースの取材に対し、「配慮するなら、逆に報道すべきだった」としている。ただ、ネット上では、見送りの自己弁護に読めるとの指摘も相次いでおり、これに対し、総局長はその意図を否定している。

「不安をあおらないように考えて」記事を見送り

「死体水」問題をようやく報じた中日の記事
「死体水」問題をようやく報じた中日の記事

   三重県内の松阪ショッピングセンターマームの受水槽から1か月もたった男性遺体が見つかり、飲み水に使われたと大騒ぎになった「死体水」問題。発覚当時、なぜ多くのマスコミ、特に地元紙の中日新聞がすぐに報じなかったかが話題になった。これに対し、中日新聞が、新聞社としては異例なことに、総局長コラムという形で、発覚直後に報道しなかった理由を明らかにした。

   このコラムは、2008年12月13日付の三重県版に載った「総局長からの手紙」。そこで、三重総局長は、遺体が見つかった11月27日の翌日には、中日がキャッチしていたことを明かした。そのうえ、この日に報道しなかったことについて、保健所などで「水質の安全が確保された」として、客に配慮して不安をあおらないように考えたことが理由だったことを示したのだ。

   しかし、27日は、マーム内の13店が休業し、客からの問い合わせが相次いでいたとき。それだけに、コラムで分かった中日の報道見送りについて、ネット上では、読者の知る権利を奪ったなどと批判が噴出。2ちゃんねるでは、コラムのスレッドがいくつも立って、「客が一番早く真実を知りたいだろ 客を盾にすんなよ」「配慮って言葉を辞書で調べてから言いなさい 真逆じゃん」「だったら、放射能漏れがない原子力発電所の事故報道の必要はないんじゃないかい?」といった書き込みが相次いでいる。

   総局長は12月15日、J-CASTニュースの取材に応じ、さらに、男性が自殺と分かったため、担当デスクらが新聞社としての古典的判断から載せなかったことを明らかにした。読者からは、店への配慮や広告への影響を考えたのではとの批判が電話などで寄せられているというが、これについては改めて否定している。

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