韓国では「国民の妹」「フィギュアの妖精」と呼ばれ、アイドル並みの人気を持つフィギュアスケートの金妍児(キム・ヨナ)選手(18)。地元・韓国・高陽で行われたグランプリ(GP)ファイナルで、日本の浅田真央選手(18)に逆転を許し、2位に終わった。そのせいか、「2ちゃんねる」では試合後に、一部サイトが見られないという状態が続き、「韓国からのサイバー攻撃があった」として大騒ぎになった。
ネット上でも2選手をめぐって白熱したやり取り
GPファイナルは2008年12月13日、ショートプログラム(SP)2位の浅田真央選手がフリーで1位となり、最大のライバルと目されていたSP1位のキム・ヨナ選手を抜き、合計188.55点で優勝した。浅田選手はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2度もプログラムに組み入れ、中盤の3回転ジャンプで転倒したものの高い技術点を獲得。一方、キム・ヨナ選手はジャンプで2度もミスし、地元でライバルの優勝を許した。
キム・ヨナ選手は、1位で終了したSPのあとで涙を流すなど、地元でのGPファイナルにかなりの重圧を感じていた様子。同選手は涙の理由について、
「それほど緊張しているとは思っていなかったのに、知らない間にとても緊張していたようで、緊張がほぐれて涙がでてしまった」
と話している。SPのあとでは、客席からは花束のほかに、ぬいぐるみなどが大量にリンクに投げ込まれるなど、異様なほどの盛り上がりを見せていた。
日韓のライバル対決とあってネット上も2人の選手をめぐって白熱したやり取りが交わされる一面もあった。
2008年12月13日の中央日報(電子版)は、SPをキム・ヨナ選手が1位で終了したことについて、「キム・ヨナはホームアドバンテージで1位になったわけではない」「キム・ヨナがルッツでミスしなければ、SPは70点台だったはず」といったネットユーザーの声があったことを紹介。「浅田真央のルッツに与えられた加点が納得できないという声もあった」と報じている。日韓交流掲示版「enjoy KOREA」では、SP終了後に、採点をめぐって日本人ユーザーと韓国人ユーザーの激しいやり取りがなされる場面もあった。