イタリアンレストランの低価格チェーンを展開するサイゼリアは、BNPパリバ証券と結んでいたデリバティブ契約を2008年12月10日に解約した、と同日発表した。
このデリバティブ取引は「FX型豪ドルクーポンスワップ」といわれ、食材の輸入に必要な外貨の調達に関連して契約していたが、米国発の金融危機による急激な円高豪ドル安で多額の評価損が見込まれていた。
同社は「金融危機による為替変動の影響が、今後の経営に大きな不安定要素になる。それをいち早く解消することが必要と判断した」としている。解除費用の153億円を損失として計上。これにより09年8月期通期の業績が赤字になる見通しになった。また、損失の責任を負い、正垣泰彦社長が1年間の70%減俸とするなどの処分を行った。
11月21日にデリバティブ損失があることを開示してから大きく下げていたサイゼリア株だが、12月11日には損失が確定したことなどを手がかりに買い戻しが進み、200円高、1257円のストップ高となった。