鉄鉱石や石炭、穀物など乾貨物を運搬する外航ばら積み船運賃の総合指数であるバルチック海運指数(BDI、1985年平均=1000)が、700を割り込む過去最低レベルで推移している。2008年12月4日のBDIは、前日に比べて6ポイント減少の666だった。これで、12日(実働)連続でマイナスを記録する「異常事態」となった。
700ポイントを割って推移したのは1986年4~9月以来のこと。ブラジル資源大手のヴァーレが鉄鉱石価格を大幅に引き上げたことで、中国の鉄鋼メーカーとの価格交渉が難航したことに加えて、世界的な景気減速による需要減、中国でも粗鋼生産が鈍化するなど、「スポット輸送がほぼ止まってしまった」ことが原因。
外航海運事業は世界経済の影響をもっとも大きく受ける事業のひとつだが、岡三証券の宮本好久氏は「欧米経済の復調の道筋が見えるまではBDIや海運株の本格的な反発はむずかしい」とみている。