日産自動車と三菱自動車、スズキの3社は、2009年年1月に米ミシガン州デトロイトで開かれる北米最大のモーターショー、北米国際自動車ショー(デトロイトショー)への出展を見送ることを決めた。ホンダも福井威夫社長が出席せず、恒例の役員スピーチも行わない予定だ。世界的にも注目度が高い5大モー ターショーの一つであるデトロイトショーへの出展見送りやトップ不参加の動きは極めて異例で、「米自動車市場全般の地盤沈下の現れ」(国内自動車大手)との見方が広がっている。
07年は世界の主要メーカー中心に82社が出展
デトロイトショーは毎年1月に開催され、07年は世界の主要メーカーを中心に82社が出展し次世代の主力車種などをアピール。入場者数は70万人に上った。東京やパリのモーターショーは200社以上が出展し、100万人以上が入場しており、デトロイトショーは規模的にはやや小さいものの、世界最大の自動車市場である米国で開かれる年初恒例の行事で、「世界で最も華やかなモーターショー」とされてきた。
そんなデトロイトショーへの出展を見合わせる動きが続出している背景には、米国での自動車需要の落ち込みがある。米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破たんを機に深刻化した金融危機は米国の自動車産業を直撃しており、10月の米新車販売台数は前年同期比31.9%減の83万8156台。25年ぶりの低水準で、100万台を割り込むのは2カ月連続だ。「米国市場での売り込みの効果は着実に薄まっている」(自動車業界関係者)。
米国市場のちょう落ぶりを象徴するのが、米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)をはじめとした米大手自動車メーカー3社(ビッグ3)の経営危機。米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発した景気低迷で、ビッグ3の主力である大型車の販売不振は激しい。リーマン破たんによる金融危機で資金繰りも悪化し、GMには経営破たんの懸念さえ生じている。