パソコンデータの持ち運びに便利なUSBメモリ。このUSBメモリを介したウイルスの感染被害が急増している。感染したコンピュータにUSBメモリを差し込んだだけでウイルスが入り込み、パソコンのデータを盗む。主にプレイ中のオンラインゲームデータやメールアドレスが狙われ、盗まれたデータは売買されるのだという。
USBメモリ関連の不正過去最多
ウイルス対策ソフト大手トレンドマイクロが毎月発表している「不正プログラム感染被害報告数ランキング」によると、USBメモリ関連の不正プログラム「MAL_OTORUN(オートラン)」が2008年10月は471件で、過去最多だった前月の347件を更新。8月から3か月連続で1位になっている。
この「オートラン」は、もともと中国を中心とするアジアで多く見つかっていた。日本で感染報告が出るようになったのは08年に入ってから。感染しているPCにUSBメモリを差し込むと、USBメモリ内に不正プログラムのコピーが作成され、他のパソコンにUSBメモリを差し込むことによって感染が広がる。個人の被害だけでなく、海外の工場からUSBメモリで持ちこんだ「オートラン」が、日本本社のネットワーク内で感染を広げた例もあるそうだ。