金融危機のあおりで不景気風が吹く中で、冷蔵庫、洗濯機といった「白物家電」が堅調な伸びを示している。調査会社GfKジャパンの調べでは、薄型テレビなどの大物商品が投入されるAV家電を除いて、家電のなかで「白物家電」は唯一売り上げが前年比でプラスになった。なかでも「省エネ」「高機能」の商品が好調だ。外出を控え、家庭内で過ごすことが多くなった消費者の行動が影響しているようだ。
冷蔵庫は3.3%、洗濯機は1.5%、調理家電は4%の伸び
個人消費が低迷するなか白物家電の売り上げが堅調だ
GfKジャパンの調査では、08年10月20日~11月16日の生活家電(白物家電)の売り上げは前年同期比で約2%増。薄型テレビなどの大物商品が投入されるAV家電を除いて、全カテゴリーのなかで唯一のプラス成長になった。冷蔵庫は3.3%、洗濯機は1.5%、調理家電は4%の伸びを示している。国内景気の減速傾向で家計消費の落ち込みも見込まれるなか、「白物家電」は健闘し、堅調なのは注目される。
「冷蔵庫、炊飯器など白物家電は順調に動いている」
こう話すのは家電量販大手・ビックカメラの広報担当者だ。なかでも、「省エネ」や「高機能」といった付加価値が付いた商品が好調だという。例えば、冷蔵庫では、「安いものを買いだめする」といった傾向が強まったせいもあり、容量400リットルから450リットルの大型商品が売れている。冷凍機能や保温機能といった機能面も消費者に重視されているようだ。また、エアコンでは「省エネ」をアピールする商品が特に好調で、
「今後の生活のことを考えて、多少のイニシャルコストをかけても、ランニングコストが安い方がいいという傾向があるようだ」
とビックカメラの担当者は分析している。家で過ごす傾向が強まったのも後押ししているものと見られる。メーカーもこうした消費者のニーズに合わせた商品のアピールに力を入れている。