「ウィキペディアで犯行示唆」 恥ずかしい大誤報を毎日新聞が謝罪

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   元厚生事務次官宅が相次いで襲われた事件をめぐり、毎日新聞がインターネット上の百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」に事件前に犯行を示唆する書き込みがあったと報じた。しかし、書き込みは事件後にされており、「大誤報」であることが明らかになり、同紙は「お詫びして訂正します」と謝罪した。

   元厚生事務次官の山口剛彦さん(66)が刺されて死亡し、元厚生事務次官吉原健二さん(76)宅の玄関前で吉原さんの妻靖子さん(72)が胸などを刺され、重傷を負った事件が相次いで発生したのは2008年11月18日のこと。毎日新聞のニュースサイト「毎日jp」では、2008年11月19日未明に「事件6時間前にネット書き込み 犯行示唆」などと題する記事が配信された。

   記事では、「Popons」と名乗る人物が、事件前の11月18日午後0時半頃、誰でも編集できるネット上の百科事典「Wikipedia」の「社会保険庁長官」という項目で、「吉原健二」の前に「×」を記入し、「×は暗殺された人物を表す」との但し書きがあったと報じた。さらに、「アクセスの記録などから書き込みがなされたパソコンが特定できるとみられ、捜査本部は慎重に調べている」としている。この情報は11月19日朝のテレビ番組などでも紹介された。

「書き込みの時刻は事件前ではなく、事件の報道後でした」

   しかし、ネット上では「編集は事件後に行われた」などとする指摘が相次ぎ、大きな騒動になった。同記事は「Wikipedia」の記入時刻が協定世界時(UTC)で表記されているという基本的な知識を欠いたまま書かれたと見られ、ついには、事件後に編集作業を行った「Popons」氏が「Wikipedia」内で

「ただいま、地元警察のほうへ、連絡し、謝罪の電話をいたしました。申し訳ございませんでした」「wikipediaの私の書き込みは事件後です」

と釈明・謝罪する事態にまで発展した。

   毎日新聞は「毎日jp」で配信した記事を11月19日朝までに削除したが、朝刊紙面では「ネットに犯行示唆?」と題する記事が掲載された。

   このため「毎日jp」は2008年11月19日昼前に

「『ネットに犯行示唆?』などの見出しで、ネット版の百科事典『ウィキペディア』に犯行を予告するような書き込みがあったと報じましたが、書き込みの時刻は事件前ではなく、事件の報道後でした。おわびして訂正します」

とする文章を掲載し、「恥ずかしい誤報」について謝罪している。

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