プラチナの価格が急落し、2008年3月に付けた7500円台から半値にまで下がっている。田中貴金属工業によると、11月14日のプラチナの小売価格は1グラムあたり2907円。前日比197円高と反発したが、直近1か月では10月28日に2599円の最安値を付けた以降も3000円を境にうろついている。その一方で、プラチナに対する投資需要は急激な盛り上がりをみせる。同社が10月に、個人向けに販売したプラチナ地金の販売量は過去最高を記録。個人が「買い」に殺到した。
1グラム7000円台が3000円台
10月のプラチナの平均価格は1グラム3058円。月間の平均価格が3000円台になったのは2005年以来という。プラチナ価格の推移は、01年ごろから上昇し続け、08年1月から9月までの9か月間の平均価格は6251円。とくに3月には1976年以来となる最高値7589円を記録した。
それがいま、半値にまで大暴落した。値上がりの背景にあった原油をはじめとした資源価格の高騰や自動車触媒としての需要増が、9月の「リーマン・ショック」以降の金融危機で一転。自動車販売の減少に象徴される世界的な景気後退の余波がプラチナ価格にも及んだ。