柔道・石井慧選手が週刊現代で、「うつ」を患っていることを告白している。しかし、それにも関わらず、おちゃらけ発言を繰り返すのはなぜか。仕事中にだけうつで、それ以外では元気という、若い世代に多い「新型うつ病」なのか。
「全日本合宿で罵倒されストレス」
「自分はなぜ、うつ病・強迫神経症になったか」
こんな見出しで、週刊現代2008年11月22日号に、五輪柔道金メダリスト、石井慧選手(21)のインタビュー記事が出た。そこで石井選手は、ふだんメディアの前で繰り出すやんちゃぶりとは「別の顔」を見せ、自らが向き合ってきたという「病気」を語っている。
告白によると、病み始めたというのが数年前から。「発作」が出るようになり、先輩から病院へ行くよう言われて通院を始めた。そこで「強迫神経症」と診断され、北京五輪前には、抗うつ剤を飲むようになった。
それも、原因としたのが、国士舘大学に入学してから柔道の人間関係によるストレス。全日本合宿で罵倒されたり、尊敬する先輩の悪口を言われたりして、「自分が住む世界ではない」と思うようになったという。
石井選手の監修協力で11月13日に光文社から出版される「石井訓」でも、背表紙に「ウツでも金」との言葉が記されている。
確かに、石井選手は、五輪後に金メダルを捨てたいと発言したり、記者会見でうつむいたり、うつらしき言動もないわけではない。11月6日には、日本での講演を終えたダライ・ラマ14世に、質問コーナーで一般人に交じって今後の身の振り方についての「人生相談」までしている。