日本郵政不動産事業に乗り出す 池尻大橋で初のマンション開発

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   郵政民営化で不動産開発事業が認められた日本郵政グループが、東京都内で全国初の分譲マンションの開発に乗り出した。空き地となっていた社宅の跡地を民間の不動産業者と組んで開発するもので、初回の分譲で20数億円の売り上げを見込むという。全国でマンションなど不動産開発事業が軌道に乗れば、グループ内で採算性の悪さが問題となっていた郵便局会社の経営が好転する可能性が高く、不動産事業の成否を関係者が注目している。

マンション用地となりうる社宅は全国に約2500カ所

   今回のマンションは、日本郵政が三井不動産レジデンシャルと共同で開発する。東京都目黒区東山3丁目の社宅の跡地約2300平方メートルに、5階建て程度で50~60戸規模の家族向けマンションを建設する。最寄駅は東急田園都市線の池尻大橋駅で、駅から徒歩4分の一等地。マンションの詳細設計はこれからだが、日本郵政は「隣接する東山公園をはじめ、緑豊かな周辺地域と調和した計画にしたい」としている。分譲マンションは2009年度上期に着工し、10年度上期に完成の予定。不動産市況を見ながら09年度上期に販売を開始する。

   07年10月の郵政民営化で、民間会社となった日本郵政は郵便局や社宅跡地などの資産を有効活用し、マンションや商業ビルなどを建設することが可能になった。マンション用地となりうる社宅は全国に約2500カ所あり、日本郵政は地価の高い東京を中心に分譲マンション開発を進める方針だ。

   気になるのは、景気減速とともにマンション市況に不透明感が増していることだ。日本郵政は「今回の開発物件は優良なため、値崩れしない」(日本郵政)と強気の構えだが、世界的な住宅バブルの崩壊とともに日本の分譲マンションの販売価格は低下傾向にあり、日本郵政の思惑通りに不動産開発が進むとは限らない。

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