ウォン安で韓国人観光客急減 頭抱える別府温泉は対策会議

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   韓国の景気後退や急激なウォン安の進行を受けて、これまでは増加していた韓国人観光客数が、急激に減少に転じている。日韓を結ぶ高速船を運航する会社は「10年ぶりにマイナスに転じるのでは」と悲観的な見通しを示す一方、韓国人観光客が多く訪れる九州の観光地からは、「(ウォン安という)外部要因ですし、明るい見通しがありません」と、ほぼ「お手上げ状態」だ。

「ハウステンボス」も1割減

博多-釜山を結ぶ「ビートル」の韓国人利用者数も落ち込みを見せている
博多-釜山を結ぶ「ビートル」の韓国人利用者数も落ち込みを見せている

   ここ1年ほどのウォン相場を見てみると、2007年夏時点では「100ウォン=13円」と10年ぶりの円安・ウォン高水準だったが、現在は一転、08年10月24日の相場は「100ウォン=6.7円」だ。1年強で、ウォンの価値がほぼ半減してしまった形だ。

   観光客数を見ても、ウォン安の影響が確実に現れている。日本政府観光局(JNTO)が08年10月23日に発表したところによると、08年9月に日本を訪問した韓国人は15万9500人で、前年同月比で、実に20.8%の大幅減だ。

   JNTOの「訪日外客実態調査 2006-2007」によると、韓国人観光客の41.3%が関東地区を訪問しているが、次いで多いのが九州地区(32.1%)。関西地区(29.2%)を上回る水準だ。

   九州は韓国と距離的に近いこともあって、今回のウォン安の影響を、少なからず受けているようなのだ。

   大分県別府市は、全国的にも有名な温泉地を抱えており、韓国人観光客にも人気のスポットだ。同市の外国人旅行者受入協議会によると、08年7月の韓国人観光客は1万1897人で、前年同月比で21.6%減少している。9月24日には、市役所や業界関係者を集めて対策会議を開いたばかりで、年末年始の忘年会シーズンに向けて、国内客を含めてテコ入れを進めていきたい考えだ。

   長崎県佐世保市のテーマーパーク「ハウステンボス」でも、

「確かに08年6月以降、前年の水準を割ってきています。上期(08年1月~6月)で見ると、韓国人の入場者数は1割弱落ちています」

と話す。その原因については、

「お客様は、ハウステンボス単独でいらっしゃる訳ではなく、福岡から入国して、福岡でショッピングを目的になさる方も多いようです。それと連動している部分もあるように思います」

と分析。いわば、「福岡での買い物需要の落ち込みに引きずられたのでは」との見立てだ。

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