当初は「10月3日解散、26日投票」が有力視されていた秋の政治日程が、大幅にずれ込みそうな情勢だ。麻生内閣の支持率が発足直後から落ち込み「解散が打ちにくくなっているのでは」との見方が広がっているのに加え、首相自身が補正予算の成立に強い意欲を見せており、相応の時間がかかると見られているためだ。
朝日新聞が2008年10月4日から5日にかけて行った電話世論調査によると、支持率は41%。9月24、25日の前回調査の時点では48%だったため、10日間あまりで7ポイント下落したことになる。政権発足前後には、内閣発足直後の「ご祝儀相場」が続いているうちに解散するのでは、という観測もあったが発足直後の支持率も40%台。それに加えて今回の「急落」で、この「ご祝儀相場」シナリオが消えてしまった形で、「解散をするならば、ある程度の実績を作ってからの方がいい」との見方も出ている。
さらに、麻生首相自身は、解散時期の明言を避け続けており、補正予算成立に向けての意欲を強く示している。このことから、「さらに解散は先延ばしになるのでは」との見方が広がっている。
08年10月6日には、衆院予算委員会で補正予算案に関する審議が始まり、麻生首相は
「景気への先行き不安が国民尾最大の関心事。補正予算をまず審議して上げて(成立させて)もらうのが一番で、この段階で解散という話を考えている訳ではない」
と述べ、解散を先延ばしにしてでも補正予算を成立させる意向を改めて表明した。
選挙は早くとも11月9日?
補正予算を成立させるためには、10月中旬までは国会審議が必要だとみられている。
選挙は通常日曜日に行われるが、当初確実視されていた10月26日以降の日程を見てみると、11月2日は3連休の真ん中で選挙民が集まりにくく、11月16日は仏滅なので、いずれも選挙日程としては可能性が低そうだ。
このような状況から逆算していくと、「選挙は早くとも11月9日。そうでなければ11月中旬以降」との見方が強まってくる。
一方、公明党の支持母体である創価学会は、すでに「11月2日投開票」をターゲットに準備に入っており、大きく先延ばしをする方向での軌道修正にはある程度の労力が必要だといわれている。自民党と公明党の関係を考えると、一方的な日程の先送りも難しく、先行きは不透明な情勢だ。