個室ビデオ店と構造が酷似 「ネットカフェ行くのも恐い」

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   大阪市浪速区の個室ビデオ店で客が放火、25人が死傷する事件が2008年10月1日に起こり、大阪市消防局は市内の個室ビデオ店やマンガ喫茶(ネットカフェ)など、個室で営業する類似施設345か所の緊急立ち入り検査を始めた。個室ビデオ店は、失業して住居を失った「ネット難民」や終電に乗り遅れたサラリーマンなどに使われることが多く、ネットの掲示板などでは「ネットカフェも恐く不安になった」と訴える人が出ている。

「宿泊施設としての指導、査察が必要だ」

   事件は鉄筋7階建ての雑居ビル1階にある「試写室キャッツなんば店」の32ある個室の一つから出火。逃げ遅れた男性客15人が死亡、男性客1人が意識不明の重体。男女9人が重軽傷を負った。一酸化炭素中毒と、火傷によるものだった。店内の通路は幅1.5メートルほどで、その両側に一畳半ほどの広さの個室が並んでいる。客は受付でDVDやビデオなどを借り個室で鑑賞するが、出火時間が午前3時頃のため、客の多くは寝ていたのではないか、と見られている。また、通路が迷路のようになっていて、個室のあるゾーンから外へ出る扉も一箇所しかないため、逃げ遅れた客もいたという。

   放火したのは無職の小川和弘容疑者(46)。警察の調べに対し、

「生きていくのが嫌になって放火した。他の客が死ぬかもしれないということはわかっていた」

と話している。店のティッシュにライターで火をつけ、自分が持ってきたキャリーバックを燃やしたそうだが、命の危険を感じ自分は逃げたという。この事件の背景について、1日のTBS系ニュース番組「イブニング5」に出演した杉尾秀哉TBS特別解説委員は、個室ビデオ店は「ネットカフェ難民」と同じように失業し、住居を失った人が寝泊りしているケースが多い、などと指摘した。 ジャーナリストの大谷昭宏さんはテレビ朝日の「Jチャンネル」で、マンガ喫茶を含め、こうした店に客が宿泊するのは分かりきった話であり、火災が起きた際の対応を徹底すべきで、

「法の不備というより、法が放置した結果がこれだ。本来、宿泊施設としての指導、査察が必要。今後は、深夜2時を越して営業する(個室のある店舗は)宿泊施設とみなせ!」

と怒りをあらわにした。

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