NHKの大河ドラマ「篤姫」の異例の好調ぶりを受け、地元の鹿児島県では、放送開始から半年が経って観光客が急増している。県では「篤姫ブームの余韻は、放送後も続くはず」として、早くも「ポスト篤姫」を見越した提言を発表。篤姫のことを「西郷、大久保に続くニューヒロイン」と位置づけ、貴重な観光資源として生かしていきたい考えだ。
「自分たちの手で勝ち取ったドラマ」

「篤姫」ブームで、鹿児島県への観光客が増えている
「篤姫」は、幕末の薩摩藩から徳川の将軍家に嫁いで波乱の人生を送った女性を、宮崎あおいさんが主演するドラマで、大河ドラマとしては47作目。全50回の放送予定で、2008年1月6日の初回放送以来、9月14日の回で37回放送されている。初回の視聴率こそ20.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と低迷気味だったが、最近では23~24%台で推移。安定した水準を保っている。特に、地元・鹿児島県では9月7日放送分の視聴率が41.9%を記録し、同番組初の「40%超え」を達成した。
「篤姫人気」の理由について、奈良迫英光・鹿児島県観光プロデューサーは、
「大河ドラマには『チャンバラ』や『戦争』というイメージがある一方、『篤姫』は、現代のドラマ風というか、『家庭っぽさ』が前面に押し出された面があったのでは」
と分析する一方、地元・鹿児島の立場からは
「大河ドラマを誘致するときには、鹿児島県民35万人の署名が集まった、という経緯があったので、県民は『自分たちの手で勝ち取ったドラマ』という思いで番組を見ているのでは」
と、感慨深げだ。