女子学生の指をなめるなどした静岡大教授が停職1か月になったことについて、「処分が甘いのでは」との声が出ている。セクハラに対して、他大学では諭旨解雇になる例もあるからだ。ネットでは、こんな気持ち悪い行為は許せないとの声が多い。
諭旨解雇など厳しい処分をする他大学も
「こんな気持ち悪いやつはクビだーー じゃないと同じ事またしそう 」
「どうして指なんかなめたんだ???」
ミクシィの日記やコメントでは、指なめ教授に対し、こんな疑問の声が次々に出ている。
セクハラで停職1か月の懲戒処分を受けたのは、静岡大の男性教授(65)。同大の発表や新聞各紙によると、3年生の女子学生は、2007年12月12日と08年1月28日の2回にわたり、授業の課題について質問するため、この教授の研究室を訪れた。ところが、この教授は、学生が嫌がるにもかかわらず、手を握り締め、手の甲にキスをした。さらに、その指をいきなりなめ出したというのだ。
このセクハラ行為は、学生が1月29日に静岡大のセクシュアル・ハラスメント相談員に被害を訴えたことから発覚した。同大では、教授がセクハラ行為を認めたことから、懲戒委員会で審議を始めるなどし、9月10日になって、興直孝学長が処分を最終的に決定した。
男性教授は、「彼女に精神的な苦痛を与えて申し訳ない」と話しているという。09年3月には、定年退職する予定になっている。
大学教授といえば、むしろセクハラをしないよう教育すべき立場だ。それだけに、世間の目は厳しく、諭旨解雇など厳しい処分がなされる他大学の例もある。静岡大教授への処分は、甘すぎることはないのか。
「またしたとしたら、かなり重い処分でもよい」
厚生労働省によると、大学などはセクハラ防止に必要な措置を定めるよう男女雇用機会均等法でうたっている。が、懲戒処分についての基準などはないという。
セクハラ問題に詳しい弁護士は、J-CASTニュースの取材に対し、こう話す。
「ほかに被害者がいるか、行為の反復性が認められるかが、処分を決める判断材料になります。以前にもセクハラ行為をしていて、注意を受けたのにもかかわらずまたしたとしたら、かなり重い処分でもよいでしょう」
静岡大教授については、2度も反復していることから、処分が軽すぎる可能性があるようだ。
それにしても、セクハラ行為で「指なめ」というのは珍しく、過去の例と比較するのは難しい。
福岡大の林弘子教授(労働法)は、処分についてこうみる。
「大学では、過去のセクハラ事例とのバランスをみて、処分を決めています。どのような処分で臨むかは、大学の姿勢によるところが大きいと思います。学生は、いわば親からの預かりものです。セクハラは大学にとっても死活問題のはずで、厳しい態度で臨むことが求められています。私どもの大学のケースからみれば、処分は軽い気がします」
そのうえで、大学側の対処法について、次のように提言する。
「教授や学生に対し、セクハラの危険があることを事前に研修で呼び掛けるべきです。そして、教授は、ドアを開けて学生に接する、複数の学生を呼ぶことなどに配慮すべきです。また、女子学生も、男性の教授に呼ばれても一人で行かないようにすることが大切ですね」