富士スピードウェイ(FSW、静岡県)で2007年9月に開かれた「F1日本グランプリ(GP)」では、送迎のシャトルバスのずさんな運行・管理で、レースの観戦ができない、終電に間に合わない、体調を崩すなどの観戦者が続出、訴訟にまで発展した。主催者は改善を約束したものの、08年10月開催のF1GPチケットに書かれたシャトルバス案内に「レース開始、最終列車出発までの到着を保証するものではない」という一文が記され、再び観戦者の怒りを買っている。
07年は数万人が長時間放置され、救急車で運ばれる人も
07年9月28~30日に行われたGPは、30年ぶりに会場をFSWに移し開催され、約28万人が観戦した。会場までの交通手段はシャトルバスだけに制限したところ大渋滞が発生。数万人がトイレや救護施設もない中で長時間放置され、スタートに間に合わず序盤を見逃したり、終電に間に合わない観客が続出。適切な誘導がなく、会場内外とも大混雑し、救急車で運ばれる人も出た。このほかレースが見えないという苦情も続出した。
レース後FSWは、レースが見えなかった指定席の観客約7100人、行きの渋滞で決勝に間に合わなかった観客85人に入場料などを返金をしたが、その他のトラブルに巻き込まれた観客には対応しなかった。そのため、「被害」を受けた観戦者は「FSW被害者の会」を設立。同会の109人が08年6月16日、FSWに対し約3200万円の賠償を求める提訴を東京地裁に起こしている。
FSWの冨田務会長は07年9月30日の記者会見で、
「楽しみに来たお客さまに応えられず、謙虚に反省したい」
と謝罪。08年開催からは改善が行われるとファン達は期待していたのだが、チケットに書かれたシャトルバスについての注意事項に唖然とする。そこにはこう書かれているのだ。
「いずれの無料バスについても、レース開始、あるいは最終列車出発までの到着を保証するものではありません」
今回も会場までの交通手段は、シャトルバスに限定されている。
この記述をめぐってネット上の掲示板やブログを検索すると、
「チケット買う前にはそんなこと一言も言ってねぇwww」
「最低のFSW まったく反省の色なし!」
「っていうかもう(06年まで開催されていた)鈴鹿でいいじゃん、、、」
などという批判が並んでいる。