民主党の前原誠司副代表に対し、「今すぐに民主党を離れろ」と受け取れる「退場勧告」を、民主党の国会議員有志3人が2008年6月12日にした。この勧告文は民主党国会議員全員にメールで送られた。前原副代表は月刊誌などに「民主党はまともな政権運営はできない」などとし、小沢一郎代表や党の批判を繰り返していた。
「国民各位に対する重大な背信行為である」
「退場勧告」が出た前原誠司副代表
「前原誠司副代表の妄言を糾弾し、その『退場』を勧告する」と題されたメールを民主党の国会議員全員に配信したのは、同党の「ネクスト農水担当相」筒井信隆氏、篠原孝氏、山田正彦氏の3氏。勧告の直接の引き金になったのは月刊誌「中央公論」08年7月号に掲載された「自民と民主は本当に違うのか」という座談会。
農家の所得支援1兆円を含む15兆3000億円の公的資金を投入、という07年の参院選の民主党マニフェストには「財源の根拠が希薄」という指摘があった、と前原副代表が言及。あやふやな状態なのに最後は小沢代表の「エイヤ!」で決まってしまったとし、
「ですから、仮にこのまま民主党が政権を取っても大変です。私は『君子豹変』しないかぎり、まともな政権運営はできないと思いますよ」
とまで言い切った。
前原副代表が08年6月7日の京都市内での会合で、自民党の「民主党の農業政策はバラマキだ」と言う批判に対し、
「私もそういう気持ちを強く持っている」
と発言したことも問題だ、と指摘している。民主党の政策はバラマキには当たらず、もともと、農家の所得補償制度は前原副代表が代表だった時代に自ら了承したもので、農地制度改革に対する無知、無理解があると3氏は副代表を追及。しかも、自民党の主張に擦り寄っている、とし、
「多くの同僚議員や民主党農政に対してご指示をいただいた国民各位に対する重大な背信行為である」
と結んでいる。