イギリスのタイムズ紙が日本のモンスターペアレントを記事にしたところ、アメリカなどから同紙サイトに共感のコメント書き込みが相次いでいる。英米両国は早くからモンスター親に悩まされていただけに、他人事とは思えない、ということらしい。
苦情で白雪姫が25人になったと紹介
モンスター親の記事を載せた英タイムズ紙のサイト
タイムズ紙の2008年6月7日付記事は、かなりセンセーショナルなエピソード紹介から始まっている。
日本のある郊外の小学校で、ヒロインの白雪姫がなんと25人も現れる学芸会が行われた。そこには、原作に出てくるコビトや魔法使いのおばあさんの姿はまったくない。舞台作りをしたのが、モンスターペアレントと呼ばれる日本の父母たち。ヒロインに1人の女の子を選ぶのは不当だとして、教師たちを脅し、迷惑電話をかけて降参させたというのだ。記事では、「親たちにとって、勝利の舞台だった」と書いてある。記事タイトルは、「日本のモンスターペアレント、センターステージを奪う」だ。
この刺激的な話は、どうやら日本で出ているモンスターペアレントの本や記事をもとに書いたらしい。タイムズ紙の記事では、ある大学教授の著書や話が紹介されていた。
記事は、日本のモンスターペアレントが、「教師狩り」のグループを作り、校門で教師ともみ合ったり辞職届にサインするまで罵声を浴びせたりもすると指摘。こうしたグループは、ファミレスや喫茶店で作られ、集まると、他愛もない話から「緊急会議」が始まる。そして、会話が次第に感情的、過激になって、親たちのモンスター軍団になると紹介している。親のモンスター化は、1990年の長期不況時代に芽生え、今になって爆発的に増えたともいう。
記事を読んだイギリスなどの読者は、日本のとんでもない話だと感じたのだろうか。ところが、タイムズ紙のサイトの記事コメント欄には、むしろ共感するような書き込みが多いのだ。