「ガシャポン」と呼ばれる玩具入りカプセルを誤飲し、重度の障害を負った鹿児島市の男児の両親らが、製造物責任法(PL法)に基づき、製造元のバンダイナムコゲームスに約1億800万円の損害賠償を求めた訴訟で、鹿児島地裁は2008年5月20日、同社に約2626万円の支払いを命じた。玩具の誤飲で製造物責任を認めた判決は珍しいという。
判決によると、男児は02年8月、直径40ミリのプラスチック製カプセルを誤飲し、低酸素などによる脳障害で、自力で体を動かせない障害が残った。同社は、「安全基準を満たし、誤飲の危険はなかった」と主張したが、高野裕裁判長は「3歳未満の幼児でも開口時の大きさが4センチを超えることは珍しくない。飲み込んだ場合に備えて取り出しやすくするため、角形にしたり、気道確保のための穴を複数設ける設計が必要だった」などと指摘した。