サブプライム問題の影響でリストラを余儀なくされている米国のシティグループが、日本で展開している消費者金融から撤退もしくは事業の大幅縮小を模索している。シティにとって消費者金融は、銀行、証券とともに個人向け金融部門の3つめの柱。買収による拡大路線を走ってきたが、一転した。外資系が手がける消費者金融をめぐっては、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が傘下のレイクを売却することで調整している。シティ、GEといった外資系の「身売り」で消費者金融業界の再編機運は高まるばかりだ。
サブプライムと貸金業法でダブルパンチ
ディックは撤退するのか?
現在、シティグループ(CFJ)は日本で、「ディック」と「ユニマットレディス」の2ブランドで営業を展開する。06年上期までは「アイク」の看板も掲げていたが、ディックに統合した。貸出金利の上限の引き下げや、取りすぎた利息(過払い金)の返還請求に応じるための引当金積み増しなどが経営を圧迫していて、有人店舗の大幅削減などのリストラ策に取り組んでいるところだった。
外資系が消費者金融の撤退を余儀なくされている背景には、こうした貸金業法の施行(07年12月)に伴う対応と、本国のサブプライム問題がある。米シティは今回のサブプライム問題に伴う損失が約460億ドルに上るといわれる。株価も大きく下落した。経営再建のため、不稼動資産の圧縮、人員削減などの大規模なリストラを断行する必要が出てきたことから、07年12月にも消費者金融事業の撤退・縮小が報じられていた。
2008年5月11日付の日本経済新聞は、ニューヨーク発として「米シティ日本でもリストラ 消費者金融 売却も視野」と報じた。これについて、シティグループは「報道に関するコメントは差し控えさせていただきたい」と話した。