ロシアや中東、アジア… 中古車市場牛耳る外国人

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   国内の自動車販売市場を握っているのは実は外国人なのかもしれない。これを裏付ける状況が中古車販売の現場で起きている。中古車の仕入れの場であるオートオークション(AA)会場では外国人のバイヤーが大量の中古車を買い付けていく状況が当たり前になりつつある。特にここ最近では、外国人による旺盛な購買意欲により、中古車の相場が一部車種で乱高下する動きが見られるなど、業界関係者を困惑させる状況が続いている。

相場価格を上回ってでも買い付ける

「アリオン」の成約台数が伸びているという
「アリオン」の成約台数が伸びているという

   2007年の中古車販売台数は、前年比8.6%減の753万96台で、8年ぶりに800万台の大台を割る結果となった。これに対して、日本からの中古車輸出台数は、ロシアや中東、アジア向けなどを中心に台数を伸ばし、同14.3%増の129万9188台と非常に好調な実績となった。

   この背景となっているのが外国人の「日本車」に対する信頼性の高さにある。実際、車種によっては中古車にもかかわらず新車以上のプレミアが付く車両もあるのだという。

   こうした海外諸国における「日本中古車バブル」に乗じて、ここ数年で多くの外国人が日本に中古車に買い付けにくるケースが急増。AA会場の中には、来場者のほぼすべてが外国人という会場もあるほどだ。

   海外における日本車の引き合いの強さは、AAに参加する彼らの買い付け行動からも見て取れる。外国人バイヤーたちは、注文があった車両については日本全国のAA会場を短期間で一巡して一気に買い付ける。それは「12年前のホンダ『CR―V』が100万円を超える価格で成約したり、トヨタ『アリオン』の成約台数が急上昇した」(AA会場関係者)などで、これまでの相場価格を上回ってでも買い付けるのだ。海外ではこの額を大きく上回る金額で取引されるのが当たり前だからだ。

   さらに2007年あたりからは、諸外国の所得が向上している状況を受け、これまでの輸出向け車両の「スタンダード」であった低年式・多走行の中古車にとどまらず、国内でも十分に再販可能な中古車も外国人の手によって海外に流出するケースが目立ってきているという。

   こうした外国人バイヤーの動きに国内の中古車業界関係者は戸惑いの表情を隠せない。これまで当たり前にAAで仕入れることができた中古車が高値になり仕入れることができなくなった。加えて国内の自動車販売の「カンフル剤」として期待されている「残価設定ローン」の支払い金額の決め手となる3年後の中古車としての残存価値が読みづらくなりつつあるためだ。

   いずれにしても今の中古車をけん引しているのは輸出であるというのが実情だ。こうしたことから今後の動きには一段と目を光らせておく必要がありそうだ。

姉妹サイト