福田内閣の支持率低迷が深刻化するなか、小泉元首相が「『何とか風』が吹きだしたような気がする」と発言、永田町では波紋が広がっている。民主党神奈川県連でも、神奈川2区からは、元経産省勤務のキャリア官僚を擁立することを決めているが、この候補者は、女優・広末涼子さん(27)の従兄。広末さんを早大合格に導いた家庭教師としても知られ、選挙の際には応援演説を依頼するという。競合するのが菅義偉・前総務相ということもあり「注目選挙区」のひとつになるのは間違いなさそうだ。
家庭教師として広末さんを早大合格に導いた
広末さんがデザインした蝶のロゴマーク。「未来と変化」をイメージしたという
神奈川2区からの出馬が確実視されているのは、元経済産業省職員の三村和也さん(32)。三村さんは東京大学法学部を卒業後1999年に通商産業省(当時)に入省。米大学に留学後、06年には防衛庁(当時)に出向し、弾道防衛ミサイルに関する対外交渉を担当した。
民主党神奈川県連では2008年1月21日、次期衆院選神奈川2区の公認候補として三村さんを擁立することを決め、党本部に公認申請を行った。翌1月22日、三村さんは経産省を退職、3月31日には公式ウェブサイトを立ち上げるなどして選挙準備を進めつつ、現在は党本部の公認を待っている、という段階だ。
神奈川県連では、
「公認は党本部が決定することなので、こちらからはどうこう申し上げられることではありません」
と話すが、同県連の神奈川1区と4区では候補者が一本化できておらず、これらの選挙区とあわせて2区で公認されるのでは、との見方もある。
ここまでだと、よくある「若手官僚が政治家に転身」というパターンだが、神奈川2区が「注目選挙区」となりそうなのは、三村さんは広末涼子さんの従兄にあたるからだ。高知出身の広末さんは、高校時代には母方の叔母家族の家に下宿していたが、その下宿先の長男が三村さん。いわば、「ひとつ屋根の下に暮らした」関係だ。三村さんは家庭教師として広末さんを早稲田大学教育学部合格に導いたことでも知られ(03年に中退)、99年には、写真週刊誌「フラッシュ」に「広末涼子のワセダ受験『家庭教師』を初直撃!」として入省2日目の姿を紹介されてもいる。