ネット上の話題を紹介して話題を呼んだNHKの番組が、レギュラー化されることになった。2007年秋に放送された「パイロット版」では、「IT戦士」としても知られるITmediaの岡田有花記者も登場、紹介される内容も一般のネットユーザーでは知らなさそうな「ディープ」なものだっただけに、ネット上では「NHK始まりすぎー」などと期待が高まっている。
話題を集めているのは「ザ☆ネットスター!」と呼ばれる番組で、07年11月に、NHKの衛星第2放送(BS2)で約40分にわたって放送された。BSでは「玄人向け」の番組が多いとも言われるが、それを差し引いたとしても「濃い」番組なのだ。
初回放送は「初音ミク」特集
番組の「パイロット版」では「一人で情熱大陸をセッションする」人気動画が紹介された
番組内では、動画投稿サイトで人気の動画をいくつか紹介。その中のひとつが、1ヶ月で50万回再生されたという「ひとり情熱大陸」で、テレビ番組のテーマ曲「情熱大陸」を、一人で複数の楽器を使って演奏する、というものだ。ただ単に、その動画を面白がるだけでなく、この演奏主を捜し出してインタビューまで行っている。さらに、電車の台車の写真をひたすら集めたサイト「台車近影」を、ニフティの情報サイト「デイリーポータルZ」の担当者が推薦していたり、一貫して「マニアック」なつくりにこだわっている。また、NHKらしく、著作権問題についての解説も忘れていない。
そんな番組が、08年度からレギュラー化されることになったのだ。NHKによると「ネットに注目した番組が珍しく『良かった』と言っていただけた」とのことで、原則、毎月第1土曜日の放送で、年間10回の放送を予定している。初回放送は4月5日の午前0時(4月4日深夜)からで、「初音ミク」を特集するのだという。
発表された内容によると、初音ミクによってもたらされた「プロをしのぐ自作曲」の数々や、その商用利用にともなう権利問題などについて紹介。往年のボーカロイド「MEIKO」「KAITO」も登場するという。
司会者は、パイロット版に引き続き、「毎日5時間はネットを見ないと気がすまない」というグラビアアイドルの喜屋武(きゃん)ちあきさんと、「(パソコン通信を含むと)ネット歴20年」という落語家・立川談笑さんが担当する。
NHKによると、初回収録は3月17日に予定されているとのことで、
「まだ収録もしていないことですし。今後のラインナップなど、詳細はすぐにはわかりません」
と話している。それだけに、今後何が飛び出すか、期待が高まる面もありそうだ。
ネット上ではレギュラー化を歓迎する声が多いが、
「トレンドをNHKの視聴者やディレクターに分かりやすく伝えるという点で、IT戦士が出演するかどうかが、この番組の正否の分かれ目」
といった声も上がっている。今のところ、同番組への「IT戦士」の出演は発表されていない。