「どげんかせんといかん」をキャッチフレーズに、全国で宮崎県のPRを続けている東国原英夫知事だが、実は、県庁所在地である宮崎市では、「どげん」ではなく「どんげ」が一般的なのだ、というやりとりがニュースで放映された。では、「どげんかせんといかん」という言葉は、「宮崎を代表する言葉」ではなかった、ということになってしまうのか。
「宮崎市内では『どんげかせんといかん』と言います」
「どげんか」と「どんげか」、とっちが宮崎弁?
「どんげ」の話が飛び出したのは、道路特定財源の暫定税率廃止などを訴えている民主党の菅直人代表代行が2008年2月17日から18日にかけて、宮崎県を訪問した時だ。これを密着取材する様子が2月19日放送のニュース番組「ニュース23」で放送されたのだが、「宮崎の焼酎を飲んだからよく眠れた」と、ご機嫌の菅代表代行が乗るタクシーの中で、興味深いやり取りがあったのだ。タクシーの運転手が菅代表代行に
「知事は『どげんかせんといかん宮崎』っておっしゃいますけど、宮崎市内では『どんげかせんといかん』と言います」
と話題を切り出すと、菅代表代行は
「へー。ちょっと違うんですねー。『どげんか』と『どんげか』かー」
と、妙に感心した様子だった。
では、もし「どんげ」が「正当派」ということになるのであれば、07年の流行語大賞にも輝いた「どげんかせんといかん」という言葉は、「宮崎を代表する言葉としては不適切」ということにはなってしまわないのか。
念のため、宮崎県の秘書広報課に聞いてみた。広報担当者によると、
「私も宮崎市内に住んでいるのですが、確かに『どんげ』という言い方が多いですね。ただ、宮崎県は広いので地域によって方言も違います。『どげん』というのは、県南部の(東国原知事の出身地である)都城や小林、(鹿児島県の)薩摩地方で使われることが多いです。いずれにしても『どげん』は県内で使われている方言なので、『県を代表する言葉として不適切』ということはありません」
と話しており、「出身地の言葉が有名になったに過ぎない」とのいうことのようだ。