大ヒット「ニンテンドーDS」用ゲームソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニング」の監修をした東北大学の川島隆太教授は、「脳トレ」ブームの火付け役ともいわれる。ゲームで脳を活性化させるアイディアが、全世界で1720万本販売というメガヒットになった。にもかかわらず、自分の子どもには、週に1時間しかゲームを許可していない。その理由が「ゲームは子供の大切な時間を浪費させる」からだそうだ。
川島教授の息子、週にゲームで遊べるのは1時間だけ
川島教授が監修したゲームが「脳トレ」ブームの火付け役になった
「脳を鍛える大人のDSトレーニング」は2005年5月に発売されたが、これが大ヒットし、続いて同年12月に「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」が発売された。現在までの販売数はこの2本で国内800万本、全世界では1720万本も売れたとされ、携帯用ゲーム機「DS」の爆発的ヒットを牽引した。ゲームは、計算問題、記憶問題、書き取りなど様々な問題が出され、それを解くことにより「52歳」などの「脳年齢」がはじき出される。脳の活性化に役立つという評判が広がり、ゲームに無縁だった高齢者にも売れに売れた。
川島教授は現在、東北大学加齢医学研究所に勤務している。専門分野はヒトの脳活動の仕組みの解明、研究と応用で、認知症の権威だ。実は、テレビゲームをすることで脳が活性化するのではないか、という仮説をかねてから持っていて、こうしたゲームの監修を引き受けることになった。そうなると、子供がテレビゲームで遊ぶことについて、とかくの議論がでている昨今、「子供の脳の活性化にはゲーム」という主張をするのかと思ったら、そうではないらしい。
フランス最大手の報道機関AFPが08年2月1日に配信した電子版の記事には、
「任天堂のソフトウェアを開発しているにもかかわらず、カワシマは4人の息子(現在14~22歳の)が平日にテレビゲームをするのを禁止しました。ゲームを許したのは週末にわずか1時間。彼らが規則を破ったとき、一度ディスクを破壊しました」
と書かれている。
J-CASTニュースが川島教授に取材すると、内容は事実で、子供を持つ親御さんは、子供のゲーム時間を制限したほうがいい、と考えているそうだ。