中国語アマゾンのサイトで販売されている北京五輪紹介とみられるパンフレットの表紙画が、日本の人気漫画の少女キャラクター「涼宮ハルヒ」に似ているとネットで話題になっている。2008年8月の五輪開催を控え、関係者からは早くも著作権侵害の便乗商法を心配する声が出ている。
アマゾンの中国語サイトでパンフ販売
北京五輪パンフレットの表紙画(左)と「涼宮ハルヒの憂鬱」の表紙画
北京五輪のパンフレットが販売されているアマゾンの中国語サイトでは、表紙に描かれた漫画を見ることができる。テニスラケットを手にした少年少女のイラストで、少女が涼宮ハルヒに似ているというのだ。パンフには、表紙に北京五輪のロゴマークが入っており、2007年7月に発行されたとある。中国人選手や競技場とみられる写真が掲載されたページも紹介してある。
確かに、03年6月に発売された角川スニーカー文庫「涼宮ハルヒの憂鬱」(著者・谷川流、イラスト・いとうのいぢ)に描かれた表紙画と比べてみると、顔つきや髪のリボン、セーラー服などに共通点が見られる。このパンフの表紙画が最初に紹介されたのは、日韓翻訳掲示板の「enjoy Korea」とみられ、08年1月24日だった。最近、中韓のネットバトルが話題だが、なぜこの掲示板で取り上げられたのかは不明だ。その後、ブログなどで話題になり、2ちゃんねるでも29日ごろからいくつかスレッドが立つようになった。
ハルヒの作者サイドは、パンフの表紙画をどう見るのか。文庫本発行元の角川書店の管理部は、J-CASTニュースの取材に次のように答えた。
「確かに、ハルヒに似ていると言われるのはわかりますし、それに似せて表紙画が描かれたとすれば、とても残念です。ただ、セーラー服、ポーズなどが似ているといっても、絵そのものは似ても似つかない類のものです。ハルヒに比べて描写力に差がある稚拙なイラストで、似ているというのは作者に失礼なほどです」
このため、表紙画だけで著作権侵害か判断するのはかなり難しいという。管理部では、「漫画のトレース、似せて書いたことが分かるほど、表現が似ていないと侵害を指摘できません。パンフレットを入手し、中身にキャラクターが使われていないかどうか確認してから、対応を検討したい」と話している。