青森県八戸市のアパート火災の現場から母子3人の遺体が見つかった事件の発生から1週間が経つが、容疑者として逮捕された長男(18)は犯行動機を明らかにしないままだ。一方で、事件現場からは「猟奇的場面が出てくるマンガや週刊誌など数十冊」が押収されたり、「殺害された母親の腹部には人形が埋め込まれていた」と報じられており、「猟奇的殺人」の面が強くなりつつある。
オルゴールの付いた20センチほどの女の子の人形?
事件が発生したのは、2008年1月9日夜。青森県八戸市根城(ねじょう)のアパートの1室が焼け、焼け跡から3人の遺体が発見された。遺体で見つかったのは、この部屋に住む女性(43)と、中学生の次男(15)、長女(13)。遺体には、刺し傷と切り傷のような外傷が見つかったという。
長男(18)は行方不明になっていたが、翌1月10日早朝になって、現場から2キロほど離れたJR八戸駅で発見された。サバイバルナイフを振り回して逃走したため、直後に銃刀法違反の現行犯で逮捕された。長男は「自分がやった」などと供述し、3人の殺害を認めているという。
その一方で、犯行動機については、解明は進んでいない模様だ。供述には捜査員が理解できない部分も多いという。近く殺人と放火容疑で再逮捕する一方で、精神鑑定も視野に入れて捜査を進めたい方針だ。
八戸署では
「レク(主に記者クラブ加盟社に向けて行われる事件の背景説明)の内容はお話しできない」
としているが、各社の報道を総合すると、さまざまな「周辺情報」が浮かんでくる。例えば、遺体の状況についてだ。遺体の肺にすすが入っていないことから、刺殺された後に、放火されたものとみられているが、母親の腹部に、人形が埋め込まれていたというのだ。その様子について、例えば地元紙「デーリー東北」の08年1月16日付けでは、
「母親の腹部は十字に深く切られており、中にはオルゴールの付いた20センチほどの女の子の人形が埋め込まれていた」
と報じている。